「動物の中で笑うものは人だけである」とは、哲人アリストテレスの言葉。
実際はチンパンジーなどの類人猿も笑うとされるが、「ほほ笑み」から「苦笑い」そして「大笑い」まで表現の幅を広く持つのは、やはり人間ならではと言っていい。
人はまた、自らが「笑う」だけでなく、「笑わせようとする」生き物でもあろう。
ドイツの哲学者アルフォンス・デーケン氏はこの点について、「ジョーク」と「ユーモア」は区別して使うべきだと訴える。
ジョークは「頭」を使った技術であり、ユーモアは「心」から発する思いやりであると。
ドイツにおけるユーモアの定義とは「『にもかかわらず』笑うこと」だという。
楽しい時に笑うのは当然だ。
しかし大変な時、苦しい時にもかかわらず、周囲の誰かを励まし、勇気づけようとして笑う、、、
それはやせ我慢や作り笑いなどを超えた、共に生き抜いていこうとする「心の強さ」の現れにほかならない。
朗らかに。
何があっても朗らかに。
その人こそ絶望を希望に転換する知恵の人であり、勇気の人である。
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