「柳の糸」という言葉がある。
柳の細い枝を糸に見立てた語だ。
季節が冬の終わりを告げる頃、しだれる”糸”から青々とした芽が吹いて、樹木も衣替えをする。
その美しさから、柳は春の季語とされる。
そよ風にさえ揺れる柳だが、そのたおやかな姿からは想像できない”強さ”を、冬の雪国で見た。
どれだけ雪が枝に積もっても、その重みで折れることは決してない。
枝をしなわせながら雪を落とすのである。
「柳に雪折れなし」とのことわざもある。
やわらかいものは、かたいものよりかえってよく耐えるし、丈夫であるとの例えだ。
植物は自ら声を発することはないが、その姿で本当の強さとは何かを教えてくれる。
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