褒める教習所

Leica M4 / Summicron 5cm f2 (Tri-X400)
コラム

自動車学校と聞くと、

教官の厳しい指導を思い出す人がいるかもしれない。

だが、三重県には「生徒をほめちぎる」ことで有名な学校がある。

 

5年前に「ほめる教習」を始めた時は

「甘い教え方では安全が守れない」等と批判を受けた。

しかし、やがて

①生徒数の増加

②運転免許の合格率向上

③卒業生の事故率半減

など、

目覚ましい成果が表れた。

 

ほめることには、どんな意味があるのか。

人間には「承認欲求」があり、

それが満たされると物事への意欲や理解の度合いが上がって、

成長への好循環が生まれる。

特に若者はそれが顕著という。

(『「ほめちぎる教習所」のやる気の育て方』加藤光一著、KADOKAWA)

 

もちろん、「ほめる」ことは単なるテクニックではない。

根底に求められるのは、

相手の持つ可能性への信頼であろう。

また、話をよく聞くなど、

相手の良い部分を知るための努力も必要だ。

育てる側の意識改革が、

人を伸ばす鍵といえる。