「教育」は「共育」

伸びようと努力しない人は、子供からは無縁の人だと思います

戦前から戦後の約半世紀にわたり、国語教師として教壇に立ち続けた大村はま氏の言葉だ。

 

一人一人の子どもには、個性や学力などの違いはあるが

伸びたいという精神においては、みな同じ

 

力をつけたくて、希望に燃えている、その塊が子ども

と氏は強調する。

教育に携わる一人として、自らも”伸びよう”と努力を重ねた。

 

60代の時には東京教育大学(現・筑波大学)で毎月、新しい教材を作り研究授業を行なった。

長年の経験があれば、同じ教材で授業することもできたが、それでは「精神が老いてしまう」と妥協しなかった。

退職後も98歳で亡くなるまで、講演・執筆活動にいそしんだ

(『新編 教えるということ』ちくま学芸文庫)

「教育」は「共育」

どれほど歳を重ねても”さあこれからだ!”と挑戦をやめない人は、接する人の心をも新しくする。

逆に”もうこれでいい”と現状に安住する人は、少なくとも子どもたちの手本にはならない。

「教育」は「共育」。

向上する大人の存在こそ、子どもにとって最高の教育環境ともいえる。