会場は拍手喝采!大山康晴氏の「もし負ける相手がいなければ自分に勝て」

Leica M4 / Summicron 5cm f2 (Kodak TRI-X 400)
コラム

将棋の名人在位18期を誇った大山康晴氏。

晩年はがんと戦いながら対局を続け、

トップリーグのA級以上連続44期の大記録は

今も破られていない。

 

氏が、囲碁棋士のタイトル獲得を祝う席に出席した時のこと。

あいさつに立ち、

「もっともっと戦って……」とエールを送った。

すると棋士本人が

「そんなことを言っても、オレは負ける相手がいないじゃないか」

と軽口をたたいた。

氏はすかさず返した。

「もし負ける相手がいなければ自分に勝て」。

会場は拍手喝采だったという。

(石田和雄著『棋士という生き方』イースト新書Q)