『諦めない力』 フィギュアスケートから教えられたこと

OLYMPUS XA 2 (Tri-X400)
コラム

フィギュアスケートで世界殿堂入りした日本人といえば、

アルベールビル五輪銀メダリストの伊藤みどりさん、

トリノ五輪金メダリストの荒川静香さん、

そして指導者の佐藤信夫さんだ。

 

選手時代の自身を「誰よりも不器用」と語る佐藤さん。

人が十数分でできることにも数日かかった。

あまりの難しさに音をあげそうになっても、

コーチの山下艶子氏が絶対に諦めないので、やめるわけにいかない。

リンク脇に立ち続ける山下さんの辛抱強さは「怖ろしいなと思うほど」(佐藤さん)だった。

 

佐藤さんは、山下さんが振り付けた一つのプログラムを、

8年間滑り続けた。

結果、日本人初の2回転ルッツ、3回転サルコウを成功させ、

全日本選手権で10連覇を達成。

引退後は指導者として安藤美姫選手、浅田真央選手らを育てた。

”諦めなければ必ずできる”と伝えながら。

(『諦めない力』扶桑社)

 

人生の勝利には、本人の努力は欠かせない。

ただ、悩んだ時や壁にぶつかった時、自分の勝利を信じ、

励ましてくれる存在がどれほど大きな力になることか。

「たとえ諸君が、自分で自分をだめだと思っても、私はそうは思わない。

全員が使命の人であることを疑わない」

人材育成とは、相手を信じ抜く挑戦である。