「どんな噺(はなし)でも、対話をするのが落語」
と語ったのは「笑点」などで活躍した桂歌丸さん。
「真景累ヶ淵(しんけいかさねがふち)・小熊の懺悔(ざんげ)」など
多くの古典落語をよみがえらせた。
といっても、
古い文献通りに演じると
現代の人々に通じない部分が出てくるので工夫は欠かせない。
歌丸さんの演じた「いが栗」には、
サゲ(オチ)が2通りあったそうだ。
その日の客層や会場の雰囲気によって
臨機応変に筋を変えたという。
「今日の客はやりにくいなって
いうようなお客が来てなきゃダメなんだ」
「そういうお客を
こっちへ引っ張りこむようでなけりゃ」
と歌丸さん。
噺(はなし)の中だけでなく
客席とも”対話”しながら作品を仕上げていった。
相手の立場に立ってこそ
対話は実りあるものとなる。
まず話を聞き、
気持ちに寄り添い、
何ができるか共に考え始める。
自分の心を働かせれば
相手の気持ちも動き出す。
この自他共の心の成長こそ、
対話のもたらす果実に他ならない。
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