先日のエル・クラシコで大敗を喫したレアル・マドリード。
ロペテギ監督はとうとう解任されてしまった。
過去を振り返ってもなかなかない程の不調続きだが一体何があったのか。
思いつく2つの原因から分析してみようと思う。
新指揮官ロペテギを迎えてのシーズンスタート
”チャンピオンズリーグ3連覇”という前人未到の偉業を成し遂げたレアル・マドリード。
しかし指揮官のジネディーヌ・ジダンは退団してしまう。
退団の理由は諸説あるが、「今以上の結果を求めるにあたり、変化を持たせなければならない」ということだった。
新指揮官に抜擢されたのは当時スペイン代表監督を務めていたフレン・ロペテギ氏。
就任直後に代表監督解任
しかし、ここで事件が起こる。
レアル・マドリードはジネディーヌ・ジダンの後任としてフレン・ロペテギが監督に就任することを最悪のタイミングで発表してしまう。
これが契約違反となりその翌日、ロペテギ氏はロシアW杯開幕直前にスペインサッカー連盟からスペイン代表監督の座を解任された。
曇り空のスタート
スペインのロシアW杯の結果はベスト16。
開催国ロシアにPK戦の末破れ、更に後味の悪い空気がスペイン国内に立ち込めていた。
そんな中、新シーズンがスタートする。
キャプテンのセルヒオ・ラモスをはじめ、スペイン代表選手が多く在籍するレアル・マドリード。
気持ちの切り替えがまだ出来ていない中、ビッグニュースが追い打ちをかける。
絶対的エース・ロナウドの移籍
正直、ビックリした。
全く想像していなっかった。
Yahoo!ニュースでも連日この話題で持ちきり。
スポーツニュースは独占。
おそらく世界中でそうだっただろう。
これまでも幾度となく移籍の話題を自らもほのめかしてきたロナウドだったが、ついにその時が来た。
ロナウドのいないレアル
チームの象徴ともいえるほどに存在感のあったエースを失ったレアルは新指揮官と共に新しい出発をする。
ロナウドのポジションにはイスコが入り、なかなかスタメン起用のなかったベイルがスタメン定着。
アセンシオ含めローテーションする。
中盤とディフェンスは変わらず。
キーパーにはチェルシーから移籍してきたクルトワが入る。
攻撃時、今まではロナウドにボールを集めていたが新システムではそれぞれが積極的にゴールを狙う。
対戦相手のディフェンスが的を絞れず困惑する場面もあった。
しかし決定力に欠け点が取れない。
チームは順位を落としていく。
リーガでもチャンピオンズリーグでもなかなか結果が出せない。
そして次第にロペテギ不信説が囁かれるようになる。
露呈するロナウドの穴
迎えた大一番”エル・クラシコ”。
ロペテギ新体制で臨む初めてのバルサ戦。
結果は1-5
文字通り大敗である。
バルサはメッシ不在の中、スアレスにボールを集め攻撃の起点を作り、レアル相手に大量得点で快勝。
対するレアルはロナウドがいなくなった今、誰にボールを集めるわけでもなく攻撃の基本パターンのようなものが無い。
どう攻めるのか、どうやって点を取るのかが具体的に各選手間で共有できていないから、味方がボールを奪った時に以前のような高速カウンターもなくビルドアップに時間がかかりディフェンスが整えられ難を逃れられてしまう。
状況が悪くなるにつれ、前線の選手も下がり守備に加担する。
一見ハードワークしているようだが、これによりバルサのラインは高く保たれていた。
そしてバルサはコンパクトに中盤を作り、寄せも早くなり必然的に支配していく。
ロナウドは守っている時間もあまり下がらなかった。
セットプレイの時以外は、前線に残り守備にはあまり加わらない。
そうなるとカウンターを警戒し、ディフェンスはラインを上げられない。
ロナウドはいるだけで影響力を持っていたのである。
まとめ
レアルはクラブのアナウンスミスで良好なシーズンスタートができなかった。
新指揮官ロペテギも選手たちも気持ち良くシーズンを始められなかったはずだ。
エース・ロナウドの移籍。
そこにしっかりした補強もできなかった。
チームの士気も上がらない。
新システムを作り”更に強いレアル”を目指すには強い信頼関係と有意義な環境が必要なのは言うまでもない。
そしてクラブは自らが招いたチームの不調を監督の責任に仕立て上げ解任させた。
ひどい話だ。
後任候補のコンテもいくら”レアルブランド”とはいえ、こんなクラブに行きたいと思うだろうか。
当然このクラブで結果を出せば、最高の付加価値が自分に付くのは間違いない。
しかし同時に最もわがままなクラブのフロントとも良好な関係も築かなければならない。
何れにしてもしばらくはこのお騒がせなクラブから目が離せない。
ある意味、今後が楽しみである。
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